M&Aで最も大切なことは何か?(6) ― シナジーから逆算するDDとPMIのデザイン

M&Aで最も大切なことは何でしょうか。
今回のテーマは、「シナジーから逆算してPMIやDDをデザインすること」です。

私は、5年先に描いたシナジー計画を実現するために、M&Aとは「お金で時間を買う行為」だと考えています。理想的なアプローチでは、M&A担当プロジェクトチームがまず将来の姿を描き、そこから逆算して必要なPMI(Post Merger Integration)の活動をイメージするのです。

例えば、補完的な商品群を持つ二社を統合するとしましょう。
この場合、クロスマーケティングやクロスセルを通じて、短期間でシナジーを発揮し、M&Aの投資リターンを確保することが重要なコンセプトになります。

そして、このような想像力をDD(デューデリジェンス)開始前に持っているかどうかが、その後の成功を大きく左右します。
なぜなら、DDでフォーカスすべきは具体的だからです。

  • 買収側企業が被買収企業の顧客にアクセスし、自社の商品を売れるのか?
  • 被買収側企業が買収企業の顧客にアクセスし、相手の製品を売れるのか?

この検証をしっかり行うことで、DDは充実したものになります。

さらに、このプロセスを通じて「ブランド戦略」も浮かび上がります。
既存ブランドを維持するのか、それとも統合して新ブランドを立ち上げるべきなのか。もし新ブランド設立が必要と判断されれば、それはPMIで注力すべき重要な活動になります。

つまり、シナジーから考えてPMIやDDをデザインすることこそが、M&Aを成功に導く鍵なのです。
このような逆算のイメージはお分かりいただけましたでしょうか。

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