また同じ話になりますが、 M&Aにおける「1+1を2以上にする」というシナジーの話です。
例えば、現在100億円の売上を持つ会社が、同じく売上100億円の会社を買収して(M&A)、3年後に300億円の売上を目指すとします。これを具体的な数字に置き換えると「どうやって?」という問いが自然に生まれます。これこそがシナジーを明確にし、M&Aの目的をはっきりさせることの大きなメリットなのです。
仮に、元々の会社と買収した会社が均等に150億円ずつへと成長すると考えましょう。この場合、CAGR(年平均成長率)は22.4%を2年間継続して、3年後に1.5倍の売上を実現する必要があります。
(計算式:1.224 × 1.224 ≒ 1.5)
皆さんの会社で売上が前年対比で10%伸びただけでも「優等生」と言われるはずです。ところが22.4%増を実現するとなれば、当然ながら「企み=企画」が必要になります。
逆の見方をすれば分かりやすいでしょう。売上100億円の会社同士が単に合併しても、自然に200億円から300億円へ増えるわけがありません。100億円の売上をさらに積み上げるには、必ず施策が求められます。これこそがPMI(Post Merger Integration=統合作業)で取り組むべき内容です。
しかし、この施策を真剣に考えずにM&Aを進めてしまうと、現状維持すら難しくなります。場合によっては、余計なコストがかさみ、売上が減少する「ディスシナジー」と戦い続けることになるのです。
次回は、この「具体的な施策」についてさらに掘り下げてみたいと思います。
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