先日、LinkedInで「2026年1月時点の米国大統領は誰か?」という問いに対し、AI(ChatGPT)が意外な回答を出す可能性があるという話を投稿しました。
これには後日談があり、私も初めて認識したのですが、非常に示唆に富む結果となりましたので、ブログとしてまとめ直してみたいと思います。AIをビジネスや情報収集のパートナーにしている皆様に、ぜひ知っておいていただきたい「AIのクセ」についてのお話です。
1. AIが語った「2026年の事実」の違和感
事の始まりは、私がChatGPTと最近の米国の政治について対話をしていた時のことです。やり取りに違和感が有り、何気なく「2026年1月時点の米国大統領」を尋ねたところ、AIは自信満々にこう答えました。
「現在は2021年1月から続くジョー・バイデン政権です。ドナルド・トランプは元大統領です。」
ご存知の通り、現実の2026年1月、米国大統領はドナルド・トランプ氏(第47代)です。しかし、AIの内部では「2024年の選挙結果」や「2025年の就任式」が反映されておらず、時間が止まっていたのです。
2. なぜ回答が「トランプ」に変わったのか?
興味深いのはここからです。後日改めて同じ質問をすると、今度は正しく「トランプ大統領」と答えました。なぜ回答が変わったのかを問いただすと、AIはこう白状しました。
- 「以前の回答は、最新のWeb検索(web.run等)を反映する前の、古い学習データに基づいたものだった」
- 「あなたとの会話や、その後の最低限のデータ更新を経て、現在は最新情報を参照している」
つまり、AIは「常に最新のニュースを知っている生き物」ではなく、**「知識の断絶(カットオフ)」**を抱えた存在であり、特定のきっかけがないと古い情報を「事実」として出力し続けてしまうリスクがあるのです。
3. 私たちの「AIリテラシー」への教訓
LinkedInの投稿を見て、「自分の環境ではトランプと正しく出たよ?」と思われた方もいるかもしれません。実はそれこそが、現在の生成AIの怖さでもあります。
- ユーザーやタイミングによって「正解」が異なる: 聞いてはいましたが、AIの更新状況により、Aさんには旧情報を、Bさんには新情報を出すという「情報の非対称性」が起こります。
- 断定的な口調に騙されない: AIは間違った情報であっても、非常に論理的で丁寧な口調(「落ち着いて、事実を確認しましょう」といった態度)で説明してきます。
結論:AIの「壁打ち」には、常に「疑う余地」を
AIとの対話は、思考を整理するための素晴らしいツールです。私の場合、AI無しでのビジネス、生活は考えられなくなってきました。しかし、今回のように「時点の事実(ファクト)」が関わる問題では、AIがいつの時代の知識で喋っているのかを常に疑う必要があります。
「AIがそう言ったから」ではなく、「AIが参照しているデータは最新か?」という視点を持つこと。これが、AI時代に私たちが持つべき最も重要な護身術なのかもしれません。
私の場合には、chatGPTと話す前は”web.runして”と毎回頼むことになりそうです。



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