定点観測を続けてきた本件ですが、今回も非常に示唆に富む展開となりました。
昨日、Netflix のCo-CEOがホワイトハウスを訪問し、(大統領本人ではないものの)担当者と会談したとの報道があり、何らかの進展があるのではと注目していました。
そして本日、複数メディアの報道により、Netflixによる**Warner Bros. Discovery(WBD)** 一部事業の買収は断念されたことが明らかになりました。
Netflix側のコメントは明確です。
“However, we’ve always been disciplined, and at the price required to match Paramount Skydance’s latest offer, the deal is no longer financially attractive.”
これはすなわち、
Paramount–Skydance連合による最新改定提案の価格水準では、投資リターンが合理的に見込めない
という判断です。
対抗提案を行っていた
Paramount Global と
Skydance Media
の提示価格を同水準まで引き上げれば、シナジーを織り込んでもペイしない――。
当初から推察していた通り、「価格がすべてを決める」局面に入ったと言えそうです。
M&A実務の観点で言えば、
- 戦略的合理性があっても
- 規制クリアの道筋があっても
- シナジーが期待できても
最終的に価格がIRRを破壊すれば撤退する
という、極めて教科書的かつ堅実な判断です。
Netflixは「規律(discipline)」を強調しました。
これは市場に対する明確なメッセージでしょう。
私の提唱しているシナジー評価指標のS_indexが一定水準でも、取得価格が閾値を超えるとΔNPVはマイナス化し、当たり前ですが投資リターンはプラスになりませんので。
一方で、今後はParamount側の動向に焦点が移ります。
まだTOBが成立したわけではありませんが、スクイーズアウトまで含めれば、仮に成立しても完了までには相応の時間を要する可能性があります。
政治的要素や規制環境の変化も織り込む必要があり、今後の外部環境次第では前提条件が変わるリスクもゼロではありません(CNN v.s. Trump)。
高値取得が将来的に「戦略投資」になるのか、それとも「過大なのれん」となるのか。
引き続き冷静に定点観測していきたいと思います。
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参考情報
CNN
“Netflix drops out of bidding after WBD deems Paramount’s takeover bid ‘superior’”


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