これまでのブログでは、定年後の「二刀流戦略」や、その戦略を導き出すまでの経緯をお話ししてきました。今回は、いよいよ事業の土台作りについてです。
定年前後で事業を始める方法は、主に個人事業主、合同会社、株式会社の3つがあります。このうち株式会社は、毎年の監査が必須であり、設立や維持に多くの費用がかかるため、定年後の選択肢としては現実的ではありません。となると、選択肢は個人事業主か合同会社の2つに絞られます。
合同会社を選んだ最大の理由:社会保険と税金
私が合同会社の設立を選んだ最大の理由は、社会保障費の最適化と節税です。
会社員を辞めると、通常は国民健康保険に加入することになります。しかし、国民健康保険料は前年の年収によって決まるため、退職直後は高額になりがちです。また、国民年金と違い、国民健康保険には「扶養」の概念がありません。そのため、配偶者の社会保障費も自分で支払う必要があります。
一方、合同会社を設立して自身を役員とすることで、会社員時代と同じように協会けんぽに加入できます。協会けんぽは、事業主と従業員が保険料を折半するため、国民健康保険よりも保険料の負担を抑えられます。さらに、配偶者を扶養に入れることで、配偶者分の保険料もかからないという大きなメリットがあります。定年後の生活設計において、夫婦二人の社会保障費を抑制できるのは非常に大きなポイントです。
経費の範囲が広がり、趣味が「事業」に
個人事業主の場合、経費として認められる上限が年間60万円と定められています。一方、合同会社の場合、事業に必要な経費の範囲は大きく広がり、年間800万円まで計上可能です。
これまでの会社員人生で、「趣味」として投資してきたさまざまな費用は、所得税控除後の給与(いわゆる可処分所得)から支払っていたと思います。しかし、これらを事業の目的に合わせて見直すことで、すべて会社の経費として計上できるようになります。これにより、これまで趣味として楽しんできたことが「事業」となり、セカンドライフをより有益かつ効果的にする生活基盤を作れるのです。
AI時代だからこそ、自分でできる合同会社設立
合同会社設立には、行政書士や弁護士などの専門家のサポートが必要だと思われがちです。しかし、今やAIの力を借りれば、専門家の手を借りずに自分自身で設立が可能です。
必要な費用は、実費として発生する登録免許税の6万円と、定款の認証にかかる**印紙代(電子定款の場合無料)**のみ。専門家への依頼費用を削減できるので、設立のハードルはぐっと下がります。
もちろん、設立後も事業が赤字でも支払う必要がある「法人住民税(均等割)」が年間約7万円かかりますが、これを上回る節税効果と、社会保障費の抑制効果を考えれば、十分なメリットがあります。
今回のブログでは、なぜ私が合同会社設立を選んだのか、そのカラクリについてお話ししました。定年後の夫婦の社会保障費を抑え、所得税を節税し、趣味を実益に変える。こうしたセカンドライフを充実させるための戦略には、合同会社の設立が最適解だと考えています。
次回は、いよいよ合同会社を設立するための具体的な手続きについて、順を追って詳しく解説していきます。お楽しみに!
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