買ってよかったM&Aと呼ばれるためのKPIの設定の考え方(3/3)

黒板に描かれた棒人間が「Lots of problems」と書かれた看板を掲げ、足元に「problem」と書かれたブロックが積み上がっているイラスト

前回の投稿までで、M&Aのシナジーが発露できたか、できなかったか、過去ケースに対しての判断なので結果論とはなりますが、成功している事例はシナジー発露に貢献するKPIを明確に定めて、それに邁進した様子があること、そうでないケースではKPIのポイントが絞りきれておらず、さらには、そのKPIを阻害する要因を排除するようなKPIも準備されていない様子があったことをお示しいたしました。

M&Aに成功されている方は、そんなこと言われなくたって知っているよ、というような内容かもしれません。しかし、これを知っているのと、実際にM&Aのプロセスの過程で、検討の段階から、PMIの過程まで、首尾一貫して可視化し、マネージしているのは別な事です。私の知る限り、その様なケースは稀なのではないかと思っています。

M&Aを実施するまでには幾つもの社内会議を経て、最終承認まで至りますが、特にDDが開始されてから契約締結までの間に課題が見つかり、契約書などでその課題に手当てを入れておくという重要な局面があります。その際、見つかってしまった財務、経理的な問題、法務的な問題、キーパーソンのリテンションの問題など、目前の課題に忙殺される状況が頻発します。その結果、これらは個々の問題としては確かに重要なのですが、買収の全体像として重要な買収の経済合理性を発露する、つまりは買収のプレミアムを相殺する視点が欠落する場合があります。そして、シナジーを定義して、それをちゃんと発露するように計画するなど、理解しているはずの元々の視点があやふやになってしまっている事に、後日のPMIの中で気づいたりします。

ですので、これからM&Aを実施されていくご担当者様、ぜひ念頭には、シナジー、シナジーと呪文のように自分に投げかけられることを期待いたします。

次回は、シナジーと買収価格の関係を考察したいと思います。


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連載「ところで、M&Aのシナジーって?」

第9回以降も、順次公開していきます。

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